<分析等に用いる装置>


掲載した以外にも

が共通機器として利用可能です。




IRスペクトル(赤外吸収スペクトル)を測定する装置。
化合物中の官能基を特定することが出来ます。
主にKBr法で測定しています。
(測定したいサンプルとKBrの粉末を混ぜ、錠剤状にして測定する方法)
VCD(赤外円偏光二色性)スペクトルを測定することもできます。
UV吸収を持たない化合物のキラリティーを調べることが出来ます。



赤外線を利用して見る顕微鏡。
↑のIR測定装置の横にくっついてます。



UV/VISスペクトル(紫外・可視吸収スペクトル)を測定する装置。
ウチの生命線その1。
ウチでは光学特性を持つポリマーを合成することが多いので、非常にお世話になっています。

手前の装置は温度を変えて測定することが出来、奥の装置は入射光を偏光することが出来ます。



CDスペクトル(円二色性スペクトル)を測定する装置。
ウチの生命線その2。
理由はUV測定装置と同じ。
これも温度を変えて測定することが出来ます。



蛍光・励起スペクトルを測定する装置。
PLは"Photoluminescence"の略で、光によって励起されて起こる発光現象のこと。
某学園の母体教団とは違います。

僕が今やっているのは発光性ポリマーの研究なので、非常によくお世話になってます。



旋光度を測定する装置。温度を変えて測定することも可能。
旋光度については各自ウィキペディアで、って書こうかと思いましたが、
実際に自分でウィキペディアの記事を見てげんなりしたのでザックリと説明します。

・ 直線偏光は右円偏光と左円偏光の重ね合わせとみなせる
(この辺はウィキペディアの「偏光」のページを参照のこと)
・ 光学活性物質は右円偏光と左円偏光に対する屈折率が異なる
この為、光学活性物質に直線偏光を当てると、透過光は入射光と僅かに異なった様相を示します。
この差異を「旋光度」と捉えておいて下さい。



これと一つ下の写真はポリマーの"相対分子量"を求める為のSEC。
上のは溶媒がTHFで、下のはクロロホルム。 クロロホルム溶媒の方はカラムの恒温槽(右側の縦長のヤツ)付き。
ウチの生命線その3。

基本的にTHFやクロロホルムに溶けるようにポリマーを設計して合成しているので、 この2つさえあれば特に問題は無いです。

普段は主にTHF溶媒用のSECを使っています。
装置の構成上、THF用の方が得られるデータが多いので。


クロロホルム溶媒用。



これは光散乱方を用いて"絶対分子量"を求める為のSEC。
あんまり使ってません。



一般に、合成によって得られたポリマーは、異なる分子量を持つ高分子化合物の集合体です。
そこでこのGPCを使って、欲しい分子量を持つ高分子だけを回収します。
上に載せた3つのGPCは基本的に測定用なので、検出器で検出されてから装置外へ廃液されるまでにタイムラグがあり、分取に用いることは困難です。



その名の通り"光学分割"を目的としたGPC。
光学分割能をもったカラムを装備しています。
SFCというのは「超臨海流体クロマトグラフィー」のことで、これを用いることで分解能が向上します。
決して某花札メーカーが作った灰色の家庭用ゲーム機のことではありません。

"光学分割"というのは簡単に言えば「ラセミ混合物をそれぞれのエナンチオマーに分離すること」です。
特定のキラリティを持った化合物のみを選択的に合成する"不斉合成"とともに、近年の有機化学では重要な分野です。



TGA(熱重量分析)装置とDSC(示差熱分析)装置。
TGAは加熱によるサンプルの重量変化を求める装置で、ポリマーの熱安定性、分解温度が分かります。
DSCは温度変化に伴うポリマーの吸熱・発熱を見る装置で、ガラス転移温度や融点などを測定できます。

普段は温度変化の速度を20℃/minにして使うのですが、TGAの場合は400℃くらいまで上げることがあったり(ポリマーの熱安定性の評価を最初に行なうのはTGAである為、新規サンプルだと何度まで上げるのがベストか分からないから)、
DSCの場合は「加熱→温度保持→冷却→室温で保持」というサイクルを2回行う必要があったりと、測定に非常に時間が掛かります。
出来ればやりたくない。でも必要。

ポリマーの液晶相などを観察する為の顕微鏡。
左側の四角い装置は温度コントローラー。
ステージに乗っている銀色のサンプルホルダーを加熱・冷却できます。

実際に私が作ったポリマーを観察したのが↓の写真。
あんまり綺麗に見えないですけど。
もっとしっかりと液晶性を示すポリマーなら、もっとキラキラした写真が撮れます。
例えば"研究"の「3.キラル超分子液晶」の所に載っている写真とか。




強力な紫外光を照射する装置。
手前の黒い丸いものは偏光フィルターで、これを使って円偏光をサンプルに照射することが出来ます。



その名の通り。
これにも高圧水銀ランプと同じように偏光フィルターがあって、円偏光されたレーザー光を照射することが出来ます。



スピンコート法という方法で、ポリマーの溶液から均一なフィルム(薄膜)を作成する装置。
有機ディスプレイに使えそうな材料を合成した場合、最終的にはフィルム状態での使用が想定される為、実際にフィルムを作成して物性を測る必要があります。
とは言っても、普段は溶液キャスト法(溶液を石英ガラス板状で均一にのばす)でフィルムを作っているのですけど。



FET(電界効果トランジスタ)特性を評価するために用います。
FETトランジスタというのはちょっと特殊なトランジスタで、現在の電子機器で使用されるICでは必要不可欠な素子らしいです。
ウィキペディアの記事の受け売り)



サンプル表面を原子レベルで観察する為の顕微鏡。
ウチにあるものは
・原子間力顕微鏡(AFM)
・走査型トンネル顕微鏡(STM)
として使えます。
観察は、教授曰く「学校のグラウンドを鉛筆でなぞっているようなもの」だそうで、
鮮明な画像を撮るには相当の技術を要するそうです。



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